東京品川・武蔵小山のスポーツバイクショップ、スポーツバイク・ハイロードです。バイクフィッティング、インソール成形、イベント参加などご相談ください!

スポーツバイク・ハイロード
「フィッティング機材続々導入中!」

作成2009/11/06

 当店が得意分野の一つとして提供しているバイクフィッティングサービスに関してもつねに研究・開発を進めています。最近の工夫を紹介します。

 立体の形状を正確に測定するのは、実は意外に難しいものです。単純な定規や巻き尺などでは(測定者の技術にも大きく依存しますが)かなりの誤差が出ることがあります。

 人体の測定についてはさらにたくさんの問題があります。 どこからどこを測るのか(基準点の問題)、脂肪や筋肉の付き方をどのように考慮するか、測られる人が動いてしまうことによる誤差をどう防ぐか、などです。

そこでハイロードではフィッティングに関して専用機材を導入したり、市販品に満足できないときはオリジナルの測定器を制作したりしてきました。


1)「レッグスケール」


(手前の板は測定バー沈降量を調整するための補助板です)

 伝統的なバイクフィッティング理論では、サドルの高さは脚の長さとの相関で決定されます(一般的には脚の長さx0.87といった係数を用いた一次式が使われています。なおハイロードでは独自の多次式を採用しています)。
 そこで、脚の長さを正確に測定することはこの理論を正しく当てはめる上で欠かせない前提となります。

 ところが、従来雑誌などで推奨されてきた測定方法(股に厚めの本を挟んで下から押し上げ、本の背と地面の距離を測る、など)では、非常に大きな誤差が生じることがわかりました。一般的には20mmほど、最大で30mmほどまでの誤差が発生することがあります。これはとりわけ体組成に柔組織が多い体重が重めのライダーの場合により顕著に生じるようです。

 脚の測定長さで20mmの誤差がある場合、上記の一次式を使うとサドル高さ設定に17.5mmの誤差を生じることになり、これではスポーツバイクのフィッティングとしては役に立ちません。

 そこで当店では、「適切な圧力で下から股を持ち上げつつその状態での脚の長さを測る」ためにこの「レッグスケール」を制作しました。

 主な機能は台ばかりの原理で適切な圧力(経験上20~30kgfとして目盛りで表示・確認しています)をかけながら脚の長さを測ることで、これに付随して被測定者の反射作用でつま先立ち気味にかかとを浮かせてしまうのを防止する構造と測定手順を取り入れています。

(手順1)足の下に補助板を挟んで立ち、股の間に測定バーをめいっぱい引き上げます。
(手順2)足の下の補助板を取り去り、つま先立ちで測定板に立ちます。
(手順3)股で測定バーを押し下げながらかかとを測定板までおろします。さらにつま先立ちにならない(なれない)ように前足部を測定板から前にはみ出させます。かかとだけで立つようにすると実際より少し脚長測定値が大きくなってしまうのでこのような手順になっています。

(加圧中。測定バーとともに目盛りリング(黒いリング)が押し下げられています。

(解放後。目盛りリングが押し下げられた位置にとどまって、かかった荷重および測定バーの沈降距離が記録されています。フックの法則により荷重と沈降距離が比例します)

 最近ブリヂストンアンカーが発表した「アンカー・フィッティング・システム」(別ウィンドウにて)にも、同様の発想の脚長測定器具が導入されていますので、今後はより正確な測定を受けるチャンスが全国的に広がるものと思います。


2)「フィットペダル」

 「ペダルの上にどのように足を乗せるか」、一見地味なこの要素はバイクのフィッティングの上で大変重要な意義を持っています。
 ロードバイクやこれに準ずるスポーツバイクの場合、「足の指まわりおよびその付け根部分(前足部)がペダルの上にくる」ように足を乗せるのが経験上一般的には適切とされています。(たとえばお買い物自転車に乗るときのように)これより足が前に突き出していると通常よりも「足を短く使っている」状態となり、一般的な高さにサドルをセットすると「サドルが高すぎる」感覚や関節の傷害につながります。
 またかかとが「ほどよい高さ」にあがっていることが経験上重要と当店では考えています。

 この、お買い物自転車とは異なるやや特殊な位置に足を誘導して、適切な位置を手軽に体験してもらえるようにこの「フィットペダル」を制作しました。

このペダルには以下のような機能があります。

すでにご自分の固定式シューズ・ペダルをお持ちの方はそれを使用してフィッティングするのがより正確な作業につながりますが、固定式ペダルを使う予定がなかったり、これから購入するという場合にはこの「フィットペダル」を使うことで正しい足の位置を経験しながらフィッティングをすることができます。


3)クリート測定台(市販品)


(ビチサポート社・ART110測定器¥10,290)

 上記のように、ペダルの上の足の位置は非常に重要です。特に固定式ペダルの場合、靴にとりつけるペダルパーツ(クリート)の位置と向きを正確に決定することが必要です。このクリート調整作業は地味でありながらポジション決定の基礎となる重要な作業です。また少しの変位・誤差でも膝など関節の違和感や障害につながりやすいだけにできる限り精度の高い作業を提供したいと考えています。

 このクリート位置を正確に決定する道具がこれです。この秋新導入しました。

ロード用のクリートの多くはこの器具なしでも相当正確に装着できるのですが、街乗り・マウンテンバイク用のペダルクリートだと精度が下がってしまうのが悩みの種でした。これで今まで以上に精度の出た作業が提供できます。


ハイロードでは正確なフィッティングを提供するため、上記のほかにも様々な工夫を続けています。どうぞご期待ください。

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