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「RETUL(リツール)のTT・トライアスロン用フィッティング講習を受講しました」

作成2013/01/21

19日の土曜日はハイロードを臨時休業にして最新のフィッティングを勉強してきました。


(中央が講師のマイケル・スミス氏、右から二人目が助手のウィンストン氏。左端はコーディネーターの伏見氏(サンメリット))

RETUL(リツール)とはライダーの体にマーカーを設置して動作をカメラでとらえ、動きを3次元でデータ化してその評価・調整をするフィッティングシステムで、疑いなく現在世界最先端のフィッティングシステムです(昨年夏に自分青山がこのシステムのオペレーター資格を取得したセミナーのレポートはこちら(別ウィンドウにて))

今回の講習では、オンロードのレースバイクとして特徴的な形状・乗り方であるタイムトライアル系のバイクのフィッティングを学んできました。


1)特殊な考慮が必要になるTTバイクのフィッティング


(体につけた発光マーカーをトラッキングする)

タイムトライアル(TT)系バイクでは、速度を上げるための最大の障害となる空気抵抗を少なくするために前に突き出したエアロハンドルを握り、ライダーは上体を低く前に倒します。この姿勢は一般のロードバイクに比べるとかなり操作性が劣りますが、独走種目であるTT系競技では相手との駆け引きのためのアタック(急加速)や、極端に難しいコーナーリングや上り下りがコースに含まれないので、操作性や(ある程度の)快適性を犠牲にして空気抵抗の減少(エアロダイナミクス)を追及しているのがTT系バイクなのです。

そのためTT系のバイクのフィッティングでは普通のロードバイクのフィッティングとは異なった注意点や作業の方法論が必要となるのです。

今回は1日だけ(正味8時間強)という限られた時間でしたが、リツールの系統だったフィッティング講習コースのおかげで非常に密度高くいろいろなことを教わってきました。自分にとってはとりわけ今まで行ってきた当店でのフィッティングの中で疑問に思ったり確認したいと感じていたことを端的に質問し、リツールとしての考え方を説明してもらえたことが非常に有益でした。

今回の講習でも昨年夏の講習と同様、同じ受講者として参加なさっている方との交流ができたことも非常に大きな収穫でした。


2)講習のノートから

読者サービスとして今回の講習のノートから一部抜粋してご紹介します。いずれも非常に重要かつ有益な情報でした。

  1. TT系のバイクのフィッティングではパワーの極大化とエアロダイナミクスの最適化の間でバランスを取らねばならない。パワー最大のポジションは多くの場合空力的には貧弱となり、逆もまたあてはまる。
  2. TT系のバイクのフィッティングでは必要な時間ずっとその姿勢を取り続けられるようにすることが必須である(サステイナビリティ)
  3. エアロダイナミクスについて。潜望鏡(ペリスコープ)のように首を上げて視界を確保しながら走るスタイルよりも、頭を亀の首(タートル・ヘッド)のように前方に伸ばしてやるほうが空力的に優れることがわかってきた。最近登場しているテールの短いTTヘルメットはこういった知見を背景にして制作されはじめたもの(カスクやジロなど)。もちろんこの姿勢は前方視界が確保できないので乗りこなすにはノウハウと練習が必要となる。
  4. ロードタイムトライアル種目用のバイクはUCIルールに準拠する必要があるが、そうするとフィッティングの観点から最適なバイクをつくるのが困難になることが多い。トライアスロンのバイクはこうした規制から自由なのでより思い切った、競技特性に最適なバイクを組み立てることができる。
  5. サステイナビリティに関して、首の疲労や痛みがよく問題になるがこれはいろいろな角度から解決を試みることができる(詳細は略)。
  6. 胴体の前傾角度(ヒップアングル)に関して、リツールではロードTTのバイクとトライアスロンのバイクとでは最適値が異なるとしている。その理由は、1)競技時間が長くなるトライアスロンでは快適性がより重要になること、2)バイクの後でランをもこなさねばならないトライアスロンでは腰回りの筋肉の使われ方について特有の配慮をしなければならないことにある(詳細は略)。
  7. 膝伸展角度に関して、リツールでは通常のロードバイクとTT系バイクとの間では異なる基準値が用意されている。その理由はTT系バイクではより深い前傾姿勢を取るため体の後ろ側の筋肉や腱の緊張が高まり、そこに含まれるハムストリングの緊張が高まることで膝が伸展しにくくなることが挙げられている。


(昨年冬リニューアルされたリツールの最新デバイス「バンテージ」。すべての接続がワイヤレスになった)


(ウィンストン氏は先日プロチーム「チャンピオンシステム」のキャンプでフィッティングを担当、西園選手のフィッティングも手掛けた。)


今回の受講に見られるように、当店ではできる限り最新のノウハウを吸収してバイクのフィッティングをより高次元で提供できるよう努めています。現在お乗りのバイクのフィッティングに疑問のある方、これからバイクを購入するために間違いのないフィッティングを希望される方、ぜひお気軽にご相談ください。

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