東京品川・武蔵小山のスポーツバイクショップ、スポーツバイク・ハイロードです。バイクフィッティング、インソール成形、イベント参加などご相談ください!

スポーツバイク・ハイロード
パワーメーター「iBikePro」コーナー
#5 高精度測定へ、「多回数コーストダウン調整」編

作成2008/08/21
加筆2008/08/22(CdA値とCrr値について)

自分の走行パワー(W)が測定できる!パソコンで分析できる!という凄腕サイクルメーターです

iBike Pro(アイバイクプロ)とは体重などの初期値と、走行速度・勾配・風速のデータを組み合わせて乗り手の発揮パワー(ワット)を表示する「パワーメーター」機能を備えたサイクルメーターの一種です。2008年モデルの「iBike Pro with wireless HRM」モデルでは心拍計とケイデンス計も同時に装備しています。

乗鞍のイベントレポートも無事完成し一息ついた昨日の定休日(8月20日)に、iBike Pro with wireless HRMの最新機能を使いこなすため、多摩川河川敷にサイクリングしてきました。

当該機能についての、当店でiBike Proをお買いあげのお客さん向けのマニュアルをすでに整備完了したので、今回はそこからの抜粋を中心に掲載します。

「多回数コーストダウン+4マイルキャリブレーション走行」および「プロファイル」作成

2008/08/21
スポーツバイク・ハイロード 青山宏康

○iBike Power Meter Owner's Manual June 2008 page29 より抄訳・加筆
○以下の記述はすべて、PCのOS=Windows XP、iBikeのファームウェア=1.18、ワイヤレス設定で作業したものです。


◆はじめに
解析ソフトウェア「iBike2」には新機能が搭載されていて、「多回数コーストダウン+4マイルキャリブレーション走行」(以下「多回数CD+4マイル走行」)というセッティングを行うことで、iBike Proをより高精度に使いこなすことができます。

「多回数CD+4マイル走行」を行うと以下のようなメリットがあります。

(補注)CdA値とCrr値について(2008/08/22)
○CdAはCd(空気抵抗係数)にA(前面投影面積。Area)を乗じたもの。
   (8月20日作成の自分のプロファイルでは、0.282でした)

○Crrは転がり抵抗係数(Coefficient of Rolling Resistance)で、タイヤの種類と空気圧などによって異なる。一般には0.004〜0.007の間になるという記述を見たことがあります。
   (8月20日作成の自分のプロファイルでは、0.0047でした)


「多回数CD+4マイル走行」は概略以下のようなセッティング作業です。
「4〜10回連続してコーストダウン校正を行い、その後すぐ続けて4マイル(6.4km)の調整用走行を行うこと。この4マイルは2マイル走ったら来た道を戻るコースで走行する」


◆コーストダウン作業の詳細

4〜10回のコーストダウン後、マウントから本体を外さずにただちに4マイル走行に移ります。

●自分の場合は10回コーストダウンしました。しかも最初の2回は事前にウィンドオフセットをやり忘れていたのに気づいたので、実際は12回(!)やっています。

●今回初めて完全に水平な路面でコーストダウン調整を行ったのですが、加速して規定の速度に達し、惰性で規定の速度まで減速するのにだいたい500m弱必要です。「多回数CD」では、一回ごとにいちいち戻っておなじ地点からコーストしなければならないので、結局コーストダウン1回ごとに1km走ることになりました。

●一度にたくさんやってみて気づいたのですが、意外に各回で惰性走行が停まる地点は近いのですね。誤差は数%だと思います。これらの値を統計的に処理する「多回数CD」調整ではかなり正確な抵抗値設定調整が期待できると思います。


4マイル走行は傾斜センサーと風速センサーを高精度に調整するために行います。スピードを上げる必要はありません。また、走行中に天候が変わったり、極端に風向きが変わったりしない条件下で行ってください。iBike2解析ソフトウェアがあとで「行き」の傾斜や風速を「帰り」の傾斜や風速と比較・校正します。

◆4マイル走行作業の詳細

●これは日本の都市部では大変に難しい条件です。自分の場合は東京・多摩川河川敷の、しかも途中に障害がなく条件を満たす特定の区間まで、自宅から35kmほどもサイクリングして作業しました。多摩河原橋上流数キロと、南武線高架下の凹部分上流数キロが、この条件をかろうじて満たしていました。


「多回数CD+4マイル走行」が終了したら、データをiBike2解析ソフトウェアで解析します。その結果、あなたの現在の自転車・ウェア・体格・乗車姿勢などを反映した「プロファイル」というデータが作成されます。
 この「プロファイル」データをiBike本体に転送することで、iBikeはより高精度にあなたの走りを測定できるようになります。

◆「プロファイル」作成〜iBike2ソフトウェアで「多回数CD+4マイル走行」のデータを解析する

○本項は上記マニュアルpage32以降に掲載

「プロファイル」とは、iBike本体の傾斜センサー・風速センサーの設定値から、乗り手の体重・服装、タイヤの種類や空気圧などで決定される空気抵抗値・転がり抵抗値などをセットにしたデータで、これが作成され、iBikeに搭載されていることで以後の走行データをより正確に測定・分析できるようになります。プロファイルは上記「多回数CD+4マイル走行」のデータをiBike2ソフトウェアで処理すると作成できます。

また、2台以上のバイクでiBikeを使用しようとする場合は、バイク毎に異なったプロファイルを作成して使い分ける必要があります。

この「プロファイル」作成手順については上記英文マニュアルに掲載があり、また当店でiBikeをお買いあげのお客さんには日本語で簡潔にまとめたマニュアルをご提供しています。

今の段階では「多回数CD+4マイル走行」を行って高精度調整をしだけの状態なので、次の段階としてはこれを使って実際にある程度走って様子を見る必要があるのですが、今の時点でもすでにおもしろそうな作業がいろいろできそうです。
 たとえば、過去の走行データを後から新たに作成した「プロファイル」でより正確に読み替えて分析することができそうです。英文マニュアルを点検してもはっきりとはわからない点がいろいろあるのですが、楽しみながら機能を発見・習得してゆきたいと思っています。

当店ハイロードでは自店で取り付け・インストールなどの作業をした経験から、簡単で見やすいマニュアルを作成しました。これは当店でiBikeをご購入くださるお客さんに無償で提供しています。またこのマニュアルはこのコーナーに見られるような実体験を通じて随時内容を見直してゆく予定です。ぜひお問い合わせください。

iBike Proコーナートップへ

サイトマップへ

「ハイロード」ホームページトップへ

COPYRIGHT AOYAMA, HIROYASU 2008 All rights reserved.

(end of page)