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「ユニークなカタチと機能!コーブサドル」
作成2014/01/23 更新2014/02/06(サドルインプレッション追加)
★(2014/01/30)テストサドルプログラム 開始しました!こちらからご覧ください(別ウィンドウにて)
★(2014/02/06)サドル試乗インプレッション 掲載しました!なんと5モデル一気掲載。各サドル説明箇所でご覧ください。
アメリカ発のサドル「コーブ」はとくにトライアスロンライダーの間で使用率があがってきている、新しいコンセプトに裏打ちされた高機能サドルです。
【サドルモデル紹介】
1)「コーブサドル」とジョン・コーブ氏
(ジョン・コーブ氏)
コーブサドルはテキサス州タイラーにあるコーブサイクリングCOBB CYCLING社が製造しているサドルです。社の代表であるジョン・コーブJohn
COBB氏は40年以上スポーツバイクの開発にかかわっており、とくにエアロダイナミクスについて深い経験をもっているといいます。コーブ氏の長年の経験に基づき一般的なデザインのサドルにまつわる問題点を解決したユニークなデザインのサドルシリーズがコーブサドルです。
2)コーブサドルのユニークなデザイン
(コーブ氏のフィッティングビデオ。音が出ます)
★コーブサイクリングのほかの動画を見るにはこちらから。役立ちそうな動画がたくさんあります!(別ウィンドウにて)
コーブサドルはたいへん特殊なかたちをしており、そのおかげで一般的な形状のサドルではとても痛くてできないような身体の使い方、乗り方が可能になります。
1)サドル前部の縦溝と絶妙な太さ設定
コーブサイクリング社のウェブサイトでコーブ氏がライダーのフィッティングをしている動画(たとえば上掲)を見ると、驚くほど骨盤を深く前に倒し 、背中が低く平らになるような姿勢を推奨しています。これは動画の説明によると姿勢が低く平らになることでエアロダイナミクス が改善されるとともに、腰が伸びることで呼吸が深く自然にできるようになる というメリットを目指したものだそうです。
一般的な形状のサドルでこのような姿勢を取ろうとするとサドル前部の細い部分、とくにその真ん中の盛りがった部分でおまたの尿道部分が圧迫され、たちまちしびれや痛みが起こるはずです。しかしコーブサドルではサドル前部を心もち太めに し、あわせてこの部分の真ん中に縦溝をしっかり施す ことで、尿道部分の繊細な柔組織に荷重をかけることなくその両脇にある恥骨に荷重をかけることができる ようになっています。
コーブサドルではサドル前部の太さにいくつかのバリエーションが設けられており、ももの太さや骨盤の幅、膝をまっすぐ上下できるかそれとも膝を閉め気味または開き気味で脚を動かしたいかといったライダーの好みに応じて選べるようになっています。
しかも心もち太めに設定されたサドル前部が内腿に擦れて痛みや抵抗を生じないように、一部のモデルではサドルの下のほう・ヘリのほうが狭くなっており、サドル前部の横断面形状が「逆台形」 になっているのです。身体を支える上側が広く、腿に擦れて邪魔になりやすい下側が狭くなっているのは従来のサドルデザインの常識を覆し一枚革サドル時代からの「因習」から脱却する、とても優れたアイデアだと思います。
サドル前部の縦溝には、つねにライダーの鼠蹊部に風があたることで蒸れや擦れによる皮膚のトラブルを予防する効果もあります。
★サドルのノーズ幅のバリエーションを調べてみました→こちらからご覧ください(別ウィンドウにて。)
2)前後移動を助けるフラットなサドルトップ
コーブサドルはすべてのモデルがほとんど横から見てまっ平らになっています。これは乗り手がある程度の時間走り続けるうえで自然に前後移動できる ようにという配慮に基づいています。このような前後への移動で筋肉の負担を分散したり、サドルに接しているお尻のただ一カ所が痛くなったりしないようにするためのデザインです。
実際に走る場面でのライダーの動きを考慮した優れたデザインですが、この反面としてサドル上面の”くぼみ”にはまるようにしてお尻が前後に安定するというようなタイプのサポート感はあまり得られないでしょう(このようなサポート感が強いのがセラSMPの各種サドルです)。
3)サドル後部の控えめなボリューム
コーブサドルの幅はほとんどのモデルで比較的狭めに設定されています。これはサドルの後ろに座った時に太もも付け根裏の腱(ハムストリングスが骨盤下部の坐骨結節につながる腱)がサドルの幅広部分に当たり続けて痛みや筋肉のツリといった支障を起こすのを防ぐためのデザインだといいます。
しかしその反面としてサドル後部がお尻を前に押し返すようなサポート感はあまり得られないでしょう(セラサンマルコ・リーガル等に代表される一部のクラシックサドルにはこういうサポート感が好まれているモデルもあります)。
サドルのデザインは人それぞれに合う合わないが分かれます。また体の使い方によっても快不快が変化します。ですからあらゆる人にコーブサドルが合うというわけではないでしょう。しかし一般的なサドルにはないユニークな機能性を備えたコーブサドルは、今までのサドルで不具合を感じていたライダーにとってはまさに福音となりうる大きな可能性を備えた製品群です。ぜひ店頭でそのユニークな機能に触れてみてください。
3)コーブサドルのラインナップ
今回当店ハイロードでコーブサドルの取扱いを始めるにあたって、いくつかよさそうなモデルをピックアップしてみました。
3−1)V-Flow PLUS (ブイフロー・プラス)
税込(5%)\15,700- (税別 \14,952-)
カラー:ブラック(写真)・ホワイト・ピンク
★テストサドルご用意しました!こちらからご覧ください(別ウィンドウにて)
ロードおよびトライアスロンに適したモデル。サドル前部分に座っても身体が前に滑らないように、パッドがかすかに盛り上げてあります。
サドルノーズはやや細めで従来のサドルに近い幅に収められています。
(黄色マーク部分の幅は実測48o)
★試乗インプレッション (2014/02/06)
全体にソフトで座る場所をあまり限定されない印象。もっとも前後移動幅が広いわけではない(ふつう)。
しかしサドル上面全体に緩やかに前後方向へのカーブがあるので、ある程度腰が自然に低い部分に落ち着こうとする傾向がある。
チルトについて。特徴あるサドル前方の隆起部分をないものとしてフラットにセットする(=サドル上に置いた平らな板がやや前上がりになる)ことでバランス良く座ることができた。逆にサドル前の部分だけをフラットにするようにすると強く前傾してセットしたサドルと同様の乗車感覚となった。
コーブサドルのラインナップの中ではノーズが細めで、一般のサドルからの乗り換えに違和感が少なそうな感触。
サドル後部のサポートは予想通り弱めだが、無理にお尻を後方に押し付けるような動きをしない限りサポートが不足する印象はない。
輸入元のご厚意でこのサドルの原型となった「V-Flow」(ブイフロー)のテストサドルもご用意いただけたのでそちらも同時に試してみた。
(コーブ V-Flow)
★「V-Flow」試乗インプレッション(2014/02/06)
形状からの予想通り、"Plusの前方隆起がないサドル"の乗り心地。
普通にフラットにセットするとややサドル前方の幅が狭いところに骨盤が落ち着いてしまうので、若干の前上がりを与えることでバランス良い座り位置となった。
3−2)V-Flow MAX (ブイフロー・マックス)
税込(5%)\17,600- (税別 \16,762-)
カラー:ブラック(写真)・ホワイト・ピンク
★テストサドルご用意しました!こちらからご覧ください(別ウィンドウにて)
ロードおよびトライアスロンに適したモデル。従来のサドルから見ると異次元といえるほどサドル前部幅が拡大されていて、前乗りでもどっしりと安定して座る感覚が得られます。パッドもほかのモデルと比べて若干柔らかめで、当たりがソフトです。
サドルノーズが太いので骨盤幅が広い方、脚を開き気味でぺダリングする傾向の方に向いています。
(圧倒的なノーズの太さ)
(黄色マーク部分の幅は実測58o)
★試乗インプレッション (2014/02/06) チルトはフラットで試した。
自分が最近膝をまっすぐ前に出すようにしていて膝をしめないぺダリングを心がけているせいか、ノーズの太さに関しては違和感をまったく感じない。これは意外だった。
パッドが柔らかいのは当たりがソフトで、少なくとも数十分のテストの範囲ではソフトさが快適だった。前のほうから後ろまで幅広く移動して座れる。
総合してみると外見に反して普通に快適に座れるよいサドルだった。
3−3)Gen2 (ジェンツー)
税込(5%)\19,600- (税別 \18,667-)
カラー:ブラック(写真)・ホワイト
★テストサドルご用意しました!こちらからご覧ください(別ウィンドウにて)
”ジェネレーション2”という名称からわかるとおり、従来のモデルから一歩進化したサドル。ロードおよびトライアスロンに向いています。
コーブサドルの中では前後移動の幅がもっとも大きく取れるモデル。
パッドは従来よりも若干固めに設定されています。長時間の走行ではこの方が快適性が高いという研究に基づくそうです。
メーカーによるとロードバイクでは2度程度、トライアスロンバイクではなんと6〜7度もの前下がりセッティングから角度調整を始めることが推奨されています。(メーカーページ。別ウィンドウにて)
別売リアマウントウォーターシステム対応設計。
(サドル前部横断面が”逆台形”。ノーズ部分のパッドが微妙に扁平になっていて超前乗りスタイルにも対応する)
(先端部が微妙に下がっているのは前乗り対応。黄色マーク部分の幅は実測51o)
(コーブ氏によるGen2の製品説明。音が出ます)
★試乗インプレッション (2014/02/06) もっとも重点を置いて時間・運動強度ともしっかりとテストした。
まずはチルトフラットで約15分力走したところで前後方向にたいして中央の部分に当たる感じが発生した。この部分がかすかにくびれたようになっているためか。そこで前の部分がフラットになるよう若干ノーズを下げたところ座る位置が微妙に前にずれて安定して座れる場所が見つかった。このセッティングだと骨盤は相当深く前傾していた。
上記の微妙な前下がりセッティングでさらに15分ほど力走したところで外陰部全体が無感覚になる症状が出た。サドル前部分のパッドが非常に豊富でしかもタテミゾがしっかりついているのがこのサドルの特質だが、急に慣れない前乗りでの使用方法を極端に試しすぎたせいか。
今回の試乗ではしびれなどが出たが、ノーズが長い一般的な形状のサドルのなかでは前乗りしようとするときに最も安心して座れるサドルの一つなのは間違いない。前乗りで力漕したくなるサドル。
3−4)Fifty Five JOF (フィフティファイブ ジェイオーエフ)
税込(5%)\19,600- (税別 \18,667-)
カラー:ブラック・ホワイト・グリーン・ピンク・ステルス(写真)
★テストサドルご用意しました!こちらからご覧ください(別ウィンドウにて)
近年急増する、サドル先端が断ち落とされたデザイン(ノーズレスデザイン)の最新モデル。エアロバーを握って前乗りする座り方に最適な形状。
他社モデルとの比較でいうと広すぎず狭すぎずの絶妙なノーズ幅です。またこの短いノーズ長さの範囲でも微妙に前後への移動が可能なサイズ形状になっています。
ネーミングのJOFは"Just off the front"という表現から来ており、これは「乗り手の尿道部分の柔らかい身体組織が、ちょうどサドルの前にはみ出るように(just
off the front)座れる」という乗り方のコンセプトを表しています。Fifty Fiveはモデル名で、サドルノーズの樹脂ベースの幅が55oであることからきているようです。
別売リアマウントウォーターシステム対応設計。
(黄色マーク部分の幅は実測62o。比較は難しいが先端が40oほど短い印象)
(サドル前部横断面が”逆台形”)
★試乗インプレッション (2014/02/06) もっとも予想外な使用感だったサドル。チルトは前の部分をフラットに設定(後部はかすかに上がり気味)、10分ほど力走してみた。
ノーズがないおかげでヒザをしめ気味で乗ることも可能。回転数を上げやすい。
ノーズ幅が独特なので他のサドルとは異なった位置、いわば座骨結節と恥骨結合のちょうど中間あたりで骨盤がサドルに乗る。
パッドがやや硬いのではじめは当たる感じがしたが、慣れてくると力漕していてもフワフワせず、安定して乗っていることができた。
形状からの予想通り、前乗りは大変快適。しかもノーズ部分の太さが前後でほとんど変わらないので骨盤への当たり方が大きく変わらない状態でやや前後に移動して座ることができる。これは長時間のライドで姿勢を変えつつ身体の負担を分散させたい場面でとても有利だと思われる。
骨盤を前傾させた力強いぺダリングがサドルノーズによる苦痛なしに実現でき、TTバイクなど前乗り傾向のバイクのみならず、一般のロードバイクやトラックレーサーでも十分メリットのあるサドルだと感じた。ひょっとしてサドルの未来形はこれに近い形になるかも しれない、という気がした。
4)サドルのノーズ幅小研究
今回サドル前部の幅にバリエーションがたくさんできたので、従来のサドルとも併せて簡単にデータをまとめました。
→こちらからご覧ください(別ウィンドウにて。)
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