東京品川・武蔵小山のスポーツバイクショップ、スポーツバイク・ハイロードです。バイクフィッティング、インソール成形、イベント参加などご相談ください!

スポーツバイク・ハイロード〜ブランド紹介
「ブリヂストンアンカー」

作成2008/12/12
更新2011/02/17
(09/10/08)アンカー最新モデル「RMZ」とそれを支える最新フィッティングシステム「AFシステム」を取材しました。こちらからどうぞ(別ウィンドウにて)
(11/02/17)アンカーフィッティングショップになりました&カラーサンプル帳を店頭常設開始しました。

当店では開店以来ブリヂストンアンカー(以下アンカー)の自転車が大変支持されており、店主青山もお勧めしています。


(名作RNC7。写真は2008年式)

アンカーのバイクはトップレンジのフルカーボンロードフレームセットでも25万円前後と、欧米の有名ブランドに比べると相当に割安です。しかしそのクオリティはそうした有名ブランドに劣らず、むしろ優れた点も多く見られます。


アンカーのバイクの特徴は「堅実・誠実なもの作り」にあります。

Episode-1 強度基準のこと

 かつてアンカーの営業担当氏から聞いたお話です。
「ツールドフランスをはじめとする本場ヨーロッパのレースで選手が乗っているフレームは、そのほとんどがアンカー研究所(ラボ)の破壊強度試験にパスしません」
「ですがそれはアンカーの強度基準が厳しすぎるのではなくて、実際の乗り手のニーズに応じるためのものです」
「プロであれば成績を残すために強度ぎりぎりの機材を使うことにも意味があり、壊れれば翌日にはスポンサーから新しいバイクが提供されます。しかしアンカーのバイクを実際にお買いあげくださるお客さんはそうではありません。高額なバイクであればより大事に長く使い続けたいと思うのは自然な願いです」
「ですからアンカーではそうした実際に乗ってくださるお客さんの期待に応えるために必要な強度基準を設けているのです」。

アンカーはすべてのモデルについてフレームに1年の保証をしていますが、実際にはそれをはるかに越える長期間、乗り手の期待に応えることができる製品作りをしていると思います。


Episode-2 フレーム重量は「最大値」で?

 これもかつてアンカーの営業氏に聞いた話です。そのころ最新モデルとしてあるフレームが発表されたばかりでした。このモデルはカタログ上は重量1000gと表記されており、販売店としては「さほど特筆すべきスペックではないのかな」と思っていました。ところが営業氏によると「実際は多くの製品は920gくらいで仕上がってきます」というのです。フレーム重量というのはカタログ上もっとも注目されるスペック(性能目安)の一つですから、なぜわざわざ営業上不利な、より重い表示をするのかと尋ねたところ、こういう思いがけないお返事が帰ってきました。
「フレームは工業製品ですからどうしても製造上の公差があり、重さの個体差が生じます」「当社のフレームを買ってくださった方が自分のフレームをたまたまはかりで量ることがあったときに、カタログ値よりも重かったらきっとがっかりするでしょう」「ですから当社では公差としてあり得る最大重量をカタログ表記に採用することにしているのです」

 わざわざ営業上損な思いをしてまでも、実際に自社のバイクを選んでくれた方を裏切らないという方針が貫かれている、ブリヂストンアンカーはそういうブランドです。


Episode-3 職人魂の結晶、名作「RNC7」

 アンカーにはRNC7という「名作フレームセット」があります。このモデルはスチール製ですから、現在のはやりのカーボンやアルミのフレームと比べると少し重量があり、また踏み出したときの反応・キレの良さといった点では一歩譲ります。しかしそれでもこのモデルが名作と呼ばれるのはそれを越えた価値を備えているからです。

 スチールはその卓越した耐久性や、乗り手のペダリングピッチとシンクロしてくれるような独特の心地よいバネ感がとりわけベテランライダーに評価されていますが、アンカーのRNC7はこれらのメリットを最大限に引き出し、弱点である重量増を限界までそぎ落とすためにきわめて手の込んだ制作工程を採用しています。RNC7のフレームを構成する各チューブは真円ではなく、各部で複雑な断面形状に変形加工されており、さらにその口径・肉厚もさながらラッパのように加工され変化が付けられています。そしてこの太径加工されたチューブ両端はさらにスイセンのように開いてそのまま隣のチューブとの継ぎ手(ラグ)と同等の機能を果たしているのです。


(上チューブがきれいなフレアを描いている。地味だがヘッドチューブも異型加工済み)

 この加工には、金属の円柱を使ったシゴキ加工(スピニングバテット)・チューブ両端を塞いだうえで液体を満たし、そこに加圧してふくらませて形状を変化させる(バルジフォーミング)・最後に両端をレーザーでカットして精密な切断形状を確保するという何段階もの工程を要します。他の業界の水準からいうと唖然とするほどの高コスト・高付加価値の加工工程だといいます。

 なぜアンカーがこのような複雑な加工をするのか、それはスチール素材を用いて競輪選手用を含むプロ用機材を長年制作してきた経験から、この加工をすることでスチール素材の最良の面を引き出すことができるという職人としての確信であり、それを製品として世の中に供給しようとするブリヂストンサイクルの決意によるのだといえるでしょう。
 またこのような作業の結果生み出されるフレームは、日本刀のような微妙なカーブを描くきわめて繊細で美しいフォルムを備えるのです。

 フレーム単価わずかに\150,000-、しかも職人の手作業によるために量産効果を見込めないこの名作RNC7を一貫して世に送り出し続けていること、そのこと自体がアンカーの質実剛健な社風を表しているように思います。
 当店ではこのRNC7をできる限り常時展示してお客さんに実際にその価値にふれてもらえるように努めています。


Episode-4 受注生産で乗り手にジャストフィット

 アンカーのバイクはそのほとんどがオーダーモデル、つまり受注生産です。これはカラーやデザインを乗り手が選択できるということにくわえて、フレームサイズだけでなくハンドル取り付け部(ハンドルステム)の寸法やハンドル幅などの詳細な各部寸法を注文の時に指定することができるということです。

 自転車というスポーツでは自転車の寸法が乗り手の体格と乗り方の傾向にぴったりフィットしていることが大変重要です。その点についてアンカーは専門部門(アンカーラボ)を置き、運動生理学や統計学の見地から研究を続けています。その結果をフレームの設計に反映するだけでなく、自転車を注文するときにも個々の乗り手にあわせて細部の寸法を指定できるようなシステムを整えているのです。これはほとんどすべての海外ブランドが実現できていない、きわめてきめ細かなシステムといえます。
 乗り手はきちんとしたショップで寸法についてのアドバイスを受けてアンカーを選ぶことで、乗り始めたその日から「自分にフィットしたバイク」を手に入れられる仕組みになっているのです。

 当店ではとりわけこのように乗り手の体格と乗り方の傾向に合わせたバイクのセッティングに力を入れていますのでアンカーのこのシステムは大変心強いものと感じています。
 一方、バイクが受注生産であるということは多くのショップで店頭在庫品を見る機会が少ない(メーカーから商品が来るのはお客さんから個別の注文をいただいてからというのが通常となるため)ことになるのですが、当店ではここに書いたようにアンカーのバイクをお客さんに広くお勧めしてゆく趣旨から、たとえ受注生産モデルといえども(!)できる限り店頭在庫をおいてお客さんに実際にふれてもらえるように努めています。


各ラインナップの明確な性格付けについて

 さらにアンカーのバイクのラインナップは、各モデルに明確な主張がありそれぞれが各々の用途の乗り手にとっての「ベストなチョイス」となるように考え抜かれています。

 その好例が、フルアルミのRA5というフレームと、アルミメインチューブ+カーボンリヤステーのRCS5というフレームでしょう(いずれも2009年モデル)。フレーム価格でいうとRA5は\85,000-、RCS5は\100,000-と大差なく、そしてどちらもアルミ素材中心に作られている入門グレードのフレームセットですが、両者はその想定する乗り方が全く異なりはっきりした個性が与えられています。

 より廉価のRA5は通常のレース専用ロードバイクに比べハンドル位置をかなり高く近くセットすることができ、より上半身が起きあがった低速でのサイクリングに向いた組立ができるようになっています。したがってそのような乗り方を考えている乗り手にとっては、上級のフレームよりもむしろRA5のほうがきれいで乗りやすいバイクを仕立てることができる、ベストチョイスということができます。
 一方RCS5はレース専用の設計になっており、上半身が大きく前傾してペダルを強く廻すスポーティな走行スタイルにマッチした形状を与えられています。つまりRCS5は「手頃な予算でしっかり走れる純粋ロードレーサーを手に入れたい」というニーズにマッチしたモデルなのです。

 このような明確なターゲッティングはアンカーの他のモデルにもすべて当てはまります。奇をてらうのではなく、実際に乗り手が直面するであろうニーズを、メーカーとしての長い経験と誠実なリサーチから分析し、それに応えるべく組み立てられたラインナップであると思います。

追記 2011年ラインナップですとRFA5シリーズがこのRA5のようなアップライトな乗車姿勢に好適なジオメトリーになっています。


 華麗な広告を繰り広げるヨーロッパブランドに比較するとやや地味な感もあるブリヂストンアンカーですが、当店ではデザインやペイントの品質まで含めて堅実で高品位なバイクを送り出しているアンカーを高く評価して多くのお客さんにお勧めし、喜んで頂いています。


アンカーフィッティングショップになりました&カラーサンプル帳配備しました

(追加2011/02/17))

当店は2010年春のRMZ受注専用システムであった頃から「アンカーフィッティングシステム」(別ウィンドウにて)を導入しています。このシステムは現在パワーアップして、アンカーのすべてのロードバイクについて、お客さんの体格や体の動きを検証しながらベストサイズのバイクをご提案できるものへと進化しています。

当店でロードバイクをお求めくださるお客さんには、追加料金無しで当店独自のバイクフィットプログラム(別ウィンドウにて)(持ち込み作業時だとおよそ¥14,000相当)を行ってフィッティングを確実にしていますが、この際にアンカーフィッティングマシンが大活躍しています。もちろんアンカーのバイクをお求めになる場合でしたら「アンカーフィッティングシステム」を使ってフィッティングすることも可能です。
 ロードバイク初心者の方も、ベテランの方も経験とデータに裏付けられた「ベストフィットなバイクと、ベストなライディングフォーム」を是非体験して頂きたいと思っています。

今回、アンカーのカラーオーダーモデルの色見本帳を店頭配備しました。アンカーは多様なペイントを選べるのでお客様の満足が非常に高いのですが、色見本があまり見られないのがいままで不十分でした(サンプル貸し出しシステムであったため)。今回店頭にサンプルを常備できるようになったので、今まで以上に色のニュアンスを具体的に確認しながらカラーオーダーをすることができるようになりました。
 せっかくのカラーオーダーシステムですから、ぜひ事前にサンプルでイメージを確認しながら理想の一台を造り出してみませんか?

サイトマップへ

「ハイロード」ホームページトップへ

COPYRIGHT AOYAMA, HIROYASU 2008 All rights reserved.

(end of page)