東京品川・武蔵小山のスポーツバイクショップ、スポーツバイク・ハイロードです。バイクフィッティング、インソール成形、イベント参加などご相談ください!

スポーツバイク・ハイロード

スポーツバイク・ハイロード
書籍紹介「High-Tech Cycling」(1)

作成2008/02/29

最近(全部ではないのですが)読んだ洋書の自転車解説書です。あまりに内容がすばらしいので、自分の備忘メモもかねて内容の抜粋を掲載します。内容はぜひ原典にあたって頂きたいと思います。アマゾンで2500円くらいで買えました。(本って内容を考えたらホントに安い買い物ですね!)

事項抜粋
from “High-Tech Cycling” by Edmund R, Burke, PhD


● この本の意義 
 自転車で「速く・うまく」走るための、最新知識・基礎データ・考え方やヒントが満載
 とりわけ「パワーメーター」についての概説が重要
● 英語で書かれていることについて
 各章が独立した短い読み物になっているので、好きなところから拾い読みできる
 文学的修辞がなく、論理的で理解しやすい
 読み手の本当に興味のあることが主題
〜ということから英語に親しむにも最適と思います。

書名High-Tech Cycling
編者Edmund R, Burke, PhD

全体は11章に分かれており、各章を別の筆者が著している。
第1章 自転車の機材選択 Chester R. kyle
第2章 自転車の懸架装置とマウンテンバイクのテクノロジー John Olsen
第3章 自転車におけるボディ・ポジショニング Edmund R. Burke and Andrew L. Pruitt
第4章 クランクサイクルとペダル回転数の最適化 Alejandro Lucia, Conrad Earnest, Jesus Hoyos and Jose L. Chicharro
第5章 自転車におけるバイオメカニクス:ロード及びマウンテン Jeffrey P. Broker
第6章 自転車におけるパワー:ロード及びマウンテン Jeffrey P. Broker
第7章 自転車の世界アワーレコード Chester R. kyle and David R. Bassett, Jr.
第8章 海抜レベルでの競技の準備における高地トレーニング Randal L. Wilber
第9章 自転車競技の栄養学 Asker E. Jeukendrop
第10章  プロ・サイクルロードレースの生理学 Alejandro Lucia, Jesus Hoyos, and Jose L. Chicharro
第11章  マウンテンバイクの生理学 Holden S-H. MacRae

現時点で本稿作者が通しで閲覧したのは以下の各章
第3章、第4章、第5章、第6章
他にも適宜閲覧している(第1章など)。


第1章 自転車の機材選択

◆表1.3に空気抵抗の増減(グラム単位)と競技成績(タイム:秒単位)の関係掲載

◆表1.4にホイールのエアロ効果のデータ掲載

◆図1.18 ドライブトレインの駆動効率は94%から98%のあいだで変化し、発揮パワーが大きくなるにつれて効率は向上する(50Wから350Wのあいだのデータ)。

◆図1.20 高い駆動効率を得るにはリヤスプロケットが14Tを下回る組み合わせを避けるべきである。

◆図1.90 ウェアは平滑でしわのないものにすることで空気抵抗を劇的に低減することができる。ウールやポリプロピレンなどの粗い素材のウェアだと40kmの走行で1分のタイムロスになることもある。

◆図1.90のあと 直射日光のもとでは光を反射する素材のウェアは人体の発汗による損失を低減させる。

◆ヘルメットについて エアロヘルメットは無帽状態よりも空気抵抗を軽減させる。その効率は時速48kmで100gにもなる。一般のヘルメットはエアロヘルメットよりも110から180g空気抵抗が大きい。従って(冷却効率がさほど要求されない)1時間以下のTTではエアロヘルメットをぜひかぶるべきである。

◆シューズについて (要約)シューズのエアロダイナミズムも重要で、エアロカバーなどを使用するべき。特注の靴などによって200gもの抵抗軽減をはたした例もある。


第3章 自転車におけるボディ・ポジショニング

◆理想のサドル高さ
 歴史的に異なる4つの方法を紹介している。最新の方法はこの章の著者を含む、Holmes, Pruitt and Whalen(1994)の方法で、膝の痛みを軽減するという観点から提唱されているもの。これによると(まず適切な位置にクリートを設定し:本稿注)サドルにまたがって脚をいっぱいに伸ばした際に膝関節に25〜30度の角度が与えられる高さが適切とされている(このとき足首角度がどのような角度であるべきかについては定義がない:本稿注)。

「25から30度の屈曲により膝にかかる圧力が適度に軽減され、膝前部の傷害を予防することができると同時に、ペダル軌道最下部のデッドスポット(ペダルに駆動力を伝えることができない地点、またはその現象:本稿注)をなくすことができる」

「このポジション(=サドル高さ:本稿注)は同時に膝蓋への圧力を軽減して膝後ろへのストレスを軽減する」「高すぎるサドルでは膝後ろに痛みを生じやすく、低すぎるサドルでは膝前に痛みを生じやすい」

◆左右の脚の長さの違い 考え方と調整の方法が掲載されている。「4mm以下の差違ならば乗り手に自覚症状がない限り補正は不要」

◆ サドル前後位置
 伝統的な、膝位置とペダル軸との前後関係から判断する方法が紹介されている。「膝のお皿の前端からおろした垂線がクランク先端をかすめる前後位置」と表現されている(このとき足首角度がどのような角度であるべきかについては定義がない:本稿注)。

 トライアスリートの一部は上記ポジション(ニュートラルポジション)より最大3センチほど前に出たサドル位置を好む場合がある。

MTBではシッティングでの登りで後輪にトラクションをより与えるために、上記ニュートラルポジションよりも約1cm後方の座り位置を好む乗り手もいる。

プロロード選手の中にも同様に後ろよりの位置を好む選手が見られるが、これはシッティングでの登りでより(ギヤ比の)大きなギヤを使いたいためである。「このようなポジションは腰痛の傾向があったりハムストリングスに問題のある乗り手にとっては困難である。このようなポジションは大腿骨が長く、しかも腰が柔軟な乗り手に限って正しいということができる。」

◆ サドルの迎角
 サドルは水平か、心持ち前上がりに設定すべき。一部女性ライダーは局部の圧迫を避けるため前下がりにしているものもいる。一部男性にも、タイムトライアルでエアロポジションをとる場合に前下がりに設定するものがいる。

サドルを前上がりに設定すると尿道部分の組織及び神経に支障が出る場合がある。またサドルを前上がりにすると脊柱の自然な前傾が得られなくなり、腰痛になる場合がある。

このような危険はあるものの、「サドル水平」の原則には以下の二つの例外がある。

(1) 骨盤の角度または脊柱の位置が通常と異なる場合(脊柱の湾曲など)には、サドルを1〜3度前上がりにすることで荷重を(柔組織ではなく)座骨にかけて着座することができる場合がある。
(2) 低いエアロハンドルを使用するタイムトライアルポジションではごくわずかサドルを前傾させると良い場合がある。

◆上半身の姿勢・クランク長さ・クリート位置(Foot Position)について記述有り。

◆クリップオンハンドルバーの使用(=上半身のエアロポジション)
いくつかのキーワードで解説されている。
(1) 両腕の間隔を狭くする 空気抵抗を低減するには体の幅を少なくすることが有効
(2) 背中を平らにする 空気の流れを整流するため
(3) あごを低くする 腕のあいだの隙間をあごで埋めるようにする、これにより整流効果が高まる
(4) 膝を締める 膝自体のエアロ効果のみならず膝が開くと肘を突き上げる場合があり、これを防ぐために上半身を開いたりハンドルを高くせざるを得ない場合があるため。

続きを読む(第4章以下)

[1] - [2] - [3]



サイトマップへ

「ハイロード」ホームページトップへ

COPYRIGHT AOYAMA, HIROYASU 2008 All rights reserved.

(end of page)