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「“幅広リム x チューブレス”という最新コンセプト、
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作成2015/04/06 | |||
★長文インプレを書きました!よかったら見てみてください(2016/06/02。別ウィンドウにて)★ |
当店ではここ数年チューブレスタイヤ&ホイールを推奨してきました。さまざまなメリットのあるチューブレスタイヤシステム対応ホイールのなかでも、今回ご紹介の製品はとくに注目すべき特徴がたくさんあります。
イーストン・EA90SLXホイールセット 税別150,000円
ロードバイク用 チューブレス&クリンチャー ホイールセット
(回転性能に秀でた新型ECHO(エコー)ハブ)
(チューブレスバルブが付属する)
軽くて(1400g)なおかつスポークが少ないというホイール一般において性能が上がる基本スペックを備えながら、そのうえさらにこのEA90SLXを特徴づけているキーコンセプトが“幅広リム x チューブレス”です。
【幅広リムのメリット1〜エアボリューム増大と低圧化】
幅広リムだと普通の太さのタイヤでもリムが広い分空気量が多くなる。その結果内圧を下げてもリムうちパンクしにくくなるのでやや低圧で乗り心地のよいセッティングで走ることができる。これまではタイヤを太くすることでエアボリュームを確保するのが一般であったが、その場合タイヤの重量がかなり増加するという欠点があった。今回のEA90SLXではホイール重量が軽く保たれたままリム幅が拡大され、そこに普通幅のタイヤを付けるのであるから重量面でのデメリットはないこととなる。
【幅広リムのメリット2〜転がり抵抗軽減】
幅広リムだと普通の幅のタイヤを装着していても装着時のタイヤ幅が広くなり、太目のタイヤと同じような断面サイズになる。いっぽう理論的にみてタイヤ内圧が同じであれば荷重が同じである限りタイヤの太さにかかわらず接地面積は等しくなる。このとき幅広リム=幅広タイヤの接地面は普通幅タイヤに比べると面積は等しいものの左右幅が拡大するぶん接地面の前後長さが短い、普通幅タイヤとは異なる形状となる。このように接地面の前後長が短くなるということは、(車輪外径が同じである限りにおいて)タイヤが路面に接地して沈下する深さが浅くなるということを意味する。
ところで転がり抵抗の主な要素はタイヤの接地部分が平らになったり離地してまた丸い形状へ戻ったりする、タイヤ素材の屈伸に伴うエネルギーロス(内部損失・ヒステリシス損)であるとされている。そこで沈下量=屈伸量が少ないほどこの内部損失が小さくなるはずであるということができる。
このような理屈から幅広タイヤや幅広リムにすると普通幅の場合よりも転がり抵抗を減らせる余地があることになる。
メリット1で見た低圧走行が可能になる点は低圧にすると転がり抵抗が増えることがおおいため従来あまり採用されてこなかったところだが、ここで見たようにリムが広くなるとそれだけで転がり抵抗が軽減されるので、普通幅のタイヤでは転がりが重くなりすぎてしまうような低めの内圧でも軽快に走ることが可能となる。
【幅広リムのメリット3〜リムの剛性向上】
余計な材料を使って重量増が起こらないようにする必要はあるものの、幅広形状のほうがリム単体での曲げ剛性を高くしやすい。アルミやカーボンのフレームチューブが太目になっているのはこれと同じ理由による。リムの剛性向上は駆動効率やホイールの耐久性など多くの面でメリットを生み出すことができる。
【チューブレスのメリット〜耐リムうちパンク性能と低転がり抵抗】
チューブレスタイヤシステムはその構造からもともとリムうちパンクを起こしにくく、また転がり抵抗もきわめて低く抑えられている。そこでこれを上記の幅広リムの特徴と組み合わせると相乗効果でさらに著しい効果が期待できる。
チューブレスについての当店記事はこちら↓(別ウィンドウにて)
要するに“幅広リム x チューブレス”の相乗効果によって、これまでのようにリムうちパンクのリスクや重量増、転がり抵抗の増大といった代償を払うことなしに、これまでにない高いレベルの乗り心地の良さと転がりの軽さを両立できるというのがこのEA90SLXの注目ポイントです。
(実測すると外幅22.8mm、内幅17.8mmだった)
ホイールの性能は高速性能(空力性能)を重視するか、加速登坂の軽快感を重視するかで重点が大きく分かれます。このEA90SLXはかなり軽快感に重点を置いた設計のホイールです。しかし空力性能もできる限り確保されているため、バランスも相当に良いホイールであるといえるでしょう。
このホイールでぜひチューブレスタイヤシステムを利用してみてください。
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