東京品川・武蔵小山のスポーツバイクショップ、スポーツバイク・ハイロードです。バイクフィッティング、インソール成形、イベント参加などご相談ください!

スポーツバイク・ハイロード
パワーメーター「iBike」コーナー#16
「最新ソフト"iBike4.0.4"と、上級機種"iAero"」

作成2010/07/30
(100311)当店の無償マニュアル提供を、ご自分でもiBikeを使いこなしていらっしゃるSONICさんのブログで取り上げてくださいました(当店からの情報提供による。別ウィンドウにて)。
★SONICさんのブログの、iBike紹介記事はこちら(別ウィンドウにて)。

自分の走行パワー(W)が測定できる!パソコンで分析できる!という凄腕サイクルメーターです

iBike(アイバイク)とは体重などの初期値と、走行速度・勾配・風速のデータを組み合わせて乗り手の発揮パワー(ワット)を表示する「パワーメーター」機能を備えたサイクルメーターです。

<製品・アクセサリー一覧〜最新版>

●新型 iBike iPro Generation3
ワイヤレス・ステムマウント仕様

ワイヤレス・ハンドルバーマウント(31.8φ)仕様
ワイアレス・TTバーマウント仕様
(このモデルのみ本体カラーはブラックのみ)(高度解析ソフト同梱!)
いずれも¥100,800税込

(本体カラーを、ブラックとホワイトから選べるようになりました)
※ハンドルバーマウント仕様の価格が変更になりました。

最上級機種 iBike iAero Generation3 ←これが今回のお題です
ワイヤレス・ステムマウント仕様
ワイヤレス・ハンドルバーマウント(31.8φ)仕様
いずれも¥105,000税込

(本体カラーはブラックのみ)

●ワイアレスマウントキット ステムマウント ¥39,800税込
ワイアレスマウント・SPD/CAD/HRTセンサーなどiBike本体以外の構成要素をすべてパッケージしています。

★iBikeをたくさん取り扱ってきた当店ならではの補修パーツなどを用意しました。


今回は以下の3つのトピックを扱います。ちょっと盛りだくさん過ぎです・・・。


1)解析ソフトの最新版「iBike4.0.4」

2010年4月にメーカーから最新解析ソフトがリリースされました。しばらく使用してみた結果をレポートします。結論から言うとすべてのiBikeユーザーにとってお勧めできるソフトウェアです。

まず新しいソフトは旧型すべてのiBike本体と互換性があり、旧型のiBikeユーザーであっても最新の解析機能を楽しむことができます。

1−1)iBikeのシステム管理が非常に便利になった"自動アップデート検索機能"

バージョン4.X.Xへのメジャーアップデートで、iBikeソフトウェアそれ自体やiBike本体に搭載するファームウェアの最新版がないか自動でメーカーのサーバーに確認し、より新しいバージョンが利用可能であれば通知してくれ、直ちにアップデートすることもできるという機能が搭載されました。
 iBikeのソフト類は非常に頻繁に更新されているので、この機能のおかげで最新版のより安定していて高度な機能を容易に手にすることができるようになりました。後述の室内トレーナー機能についても対応トレーナーのリストが随時更新されており、この自動アップデート検索機能で最新情報に更新できます。

 なおiBike本体の最新ファームウェアはバージョン4.2.1(ジェネレーション3限定)で、ワイアレスセンサーの接続機能が非常に強力で安定しています。ジェネレーション3のiBikeを使っているユーザーは必携ですよ。

1−2)バージョン4.0.4の注目の新機能"Analyze Route"

"Analyze Route"とは今までのシステムでは長時間の走行にともなう気圧変動で高度計に誤差が生じ、周回コースや自宅発着の走行データのなかで同じ場所なのに標高が異なって表示されることが多かったという、走行データのエラーを補正する機能です。
 ソフトウェアが勾配または標高の変化を解析して「この部分は往復コースだな」「このコースはスタートとゴールが同じ地点だな」などと判断するとユーザーに確認を促し、ルートの標高データを補正し、またそれにともなってパワーデータも更正されます。これによっていっそう現実に即した走行データを得られるようになりました。

1−3)データにコメントを残せる”アノテーション機能”

走行データの最大値・最小値の箇所に自動で数値の注釈を入れたり、その他任意のコメントを挿入したりできるのが”アノテーション機能”です。データの分析がいっそう容易になりました。


(自動で入ったアノテーションの例)

 これらの機能の他にも、走行中にウィンドポートがふさがったり、ケイデンスデータの欠陥でパワーデータが適切に記録できなかった場合でも、推定によってデータを補充することである程度データを修復することのできる機能も搭載されました。自分は先日走行中に雨が降り出した際、本体をビニール袋でおおって防水し、帰宅にこの機能を利用して風速データを補いデータを修復することができました。


(おまけ)データの一部選択+右クリックでいろいろできます!
 最近まで気づいていなかったのですが、iBikeソフトウェアの便利な機能として"Zoom In"があります。走行データの一部だけをドラッグして選択し、右クリックメニューで"Zoom In"とすると選択した区間だけが拡大表示されます。"Zoom Out"で元の全コース表示に戻ることもできます。これは便利ですよ。一日の走行の中で特にがんばった区間だけを簡単にクローズアップできます。
 また同じ右クリックメニューで特定のポイントにラップマーカーを書き加えることもできます。周回コースでラップボタンを押し損なったときなど、後からラップデータが欲しいと思ったときに大変便利です。

★最新ソフトのダウンロードはこちらから(メーカーサイト。別ウィンドウにて)


2)iBikeで室内トレーニングできる「トレーナーモード」

従来のiBikeの弱点を補う拡張機能

 iBikeを含む各社パワーメーターは今のところ熱心にトレーニングをするライダー達のための機材にとどまっています。(価格が10万円またはそれ以上というのが最大の原因で、それはちょっと残念だと自分は思うのですが、現状はこの通りです。)
 一方、熱心にトレーニングする人は雨でも夜でもトレーニングしたいというニーズが高いので、室内でパワートレーニングできることはとても重要です。ところがiBikeはそのままでは室内でパワーを測定することができませんでした。iBikeは走行に伴う向かい風を検知して空気抵抗を測定するため、自転車を固定して室内でするトレーニングではデータを採取できなかったのです。

 これに対し、iBike製造元のVelocomp社は「トレーナーモード」という拡張機能を有料で提供することで解決を図っています。これは各社の固定式トレーナーの走行抵抗をデータとして取り込んだ一種の換算機能で、車輪の速度からそのとき発揮しているパワーを換算表示してくれます。

 使ってみると、たとえば心拍データを元にトレーニング強度をコントロールするよりも遙かに精密にペースの変動がわかり、より精度の高いトレーニングセッションを行うことができます。また、トレーニング後にデータをPCで解析することにより、トレーニング内容をより厳密に検証することができます。たとえば同じパワーを発揮していても心拍数がだんだん上昇していって目標ゾーンから逸脱してしまっていたら、それはそのセッションの強度が強すぎたということを意味します。さらにデータが蓄積するのはモチベーションの維持にも役立つように感じます。

 自分個人のこととしていうと、従来室内トレーニングは非常に苦手だったものが、後でPCでデータを検証できるようになったことでかなり我慢しやすくなりました。これも大きな効果だと思います。

 弱点としては、日本国内で販売されているトレーナーの多くが対応トレーナーのリストに載っていないことがあります。この場合はトレーナーデータを自分で作成編集して自分のトレーナーに対応した性能曲線を作ってしまうことで対応可能です(たとえばミノウラの各モデルは性能表がウェブサイト上に公表されているので、これを再現すればよい。そういうデータがない場合は自分の屋外走行時の心拍数などを指標にデータを作ることもできます)。

 トレーナーモードは、後述の上級機種iAeroには標準で組み込まれています。標準機種のiProを利用している方は、iBike製造元のVelocomp社のウェブサイトから購入することができます。クレジットカードで支払い、自分のiBikeのシリアルナンバーをメールで送ると、それに対応した機能解除キー(一種のデータ)を数日で送り返してくれるので、後はそれを自分のiBikeに組み込むだけです。本国価格は39ドル(現在の為替だと¥3400程度。ただし実際はカード会社の手数料などが加算されますので要注意)と手頃です。

 なお当店では自分で購入や組込み作業のできない方向けに、購入および組込みの作業代行を承っています。詳細はどうぞお問い合わせください。

★本国メーカーサイト購入ページ(別ウィンドウにて)


3)空力特性解析機能付きの上位機種「iAero」


(アップグレードで入手した、国内未流通のホワイトバージョン)

自分青山はこの3月から最上位機種のiAeroをテスト使用してきました。標準モデルのiBike Pro (iPro)が¥100,800税込なのに対し、iAeroは¥105,000となっており¥4,200のアップチャージとなっています。※この価格はこの春改定されたもので、それまでは¥126,000と設定されていました。

iAeroのみに搭載された上位機能は以下のようなものです。

「トレーナーモード」は前に述べたとおり競技成績向上を図るひとたちにとっては必須となるであろうたいへん有効な機能です。

3−1)"Snapshot CdA"機能

"Snapshot CdA"機能とは、緩い下り坂などで足を止めて空走していると、そのときの姿勢に応じて空気抵抗値(CdA値)を表示してくれる機能です。天文学的な費用を要する風洞実験をすることなしに機材の変化やライディングポジションの変化によるCdA値の変化を表示してくれる驚異的な機能です。

この機能を使用するには、コーストダウン調整を行ったのと同じような路面で、他の自動車やバイクによる気流の乱れを受けずに10秒程度空走できるコースが必要です。またこの機能で得られるのは足を止めた状態でのデータなので、いわばCdA値の静止画撮影(Snapshot)になぞらえることができます。

実際に使用してみたところでは、ドロップバーの下を握ったときとブラケットを握ったときとで明らかに数値に違いが表れるなどその効果を確認することができました。ですが数値のばらつきがやや出やすいようで、真剣に空力特性の検証を行うのであればコーストダウン調整と同様、複数回のテストを繰り返して平均を取るなどの手法が望ましいと思いました。

3−2)"Continuous CdA"および"Time Advantage" 機能

"Continuous CdA"および"Time Advantage" 機能とは、SRMやパワータップといった他社製のパワーメーターと併用することで走行中の姿勢変化に伴うCdA値の変化を記録し、またそれによってどれくらいゴールまでの所要時間が変化する見込みであるかを表示する機能です。この機能はペダルを漕いで走行している間の変化を連続的にとらえることができるので、いわばCdA値の動画撮影になぞらえることができます。この機能も驚異的なものだと思うのですが、そもそも他のパワーメーターの併用を必要とするところがすでに研究者向け、ないしはマニア向けの機能と評せざるを得ません。


 このような機能を搭載したiAeroですが、自分は現在の価格であればかなりお買い得であると思います。多くのiBikeユーザーはトレーニング目的だと思いますが、トレーナーモードが最初からついてくるのであとから英語でデータを購入して組み込んだりという面倒がないのはメリットがあると思います。
 さらに"Snapshot CdA"機能を使って簡易的に自分のライディングポジションの空力特性を検討改良することもできるのです。


 当店では実際にiBikeを使用して経験を積み、これを元にできる限り平易なマニュアルを作成しています。このマニュアルは当店でiBikeを購入してくださる方には無償で提供しています。
 iBikeProにご興味をもたれた方はぜひ当店ハイロードまでお気軽にご相談ください。

iBike Proコーナートップへ

サイトマップへ

「ハイロード」ホームページトップへ

COPYRIGHT AOYAMA, HIROYASU 2010 All rights reserved.

(end of page)