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スポーツバイク・ハイロード

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「シダス・コンフォマーブル」
カスタムインソール
技術解説(3)
 

作成2008/01/18

第3項 シダスインソールの特徴と機能

シダスインソールは成型方法まで含めたシステム全体の中に、他製品とは全く異なる二つの特徴を持っています。

A)「アーチフレックスシステム」

他社のインソールの一部には、足形をかたどったコルクなどの固まりで作られていて、たわみが起きないものがあります。これと異なりシダスは足裏のアーチ構造を支えながら、同時にしなやかにたわむことで足本来の動きを助けるように設計されています(フレキシブルサポート)。

 前述したようにそもそも足とは56個もの骨が集まった精密機械のような構造をしていて、これが複雑に動くことでより効果的な足の動きをうみだしています。従って足形を一定の型にはめてしまうようなやり方では足本来の動きをかえって妨げてしまうのです。そのためシダスにはアーチサポートに適度のたわみが起きるような設計がされています。

B)「ウィンドラス・メカニズム」を取り入れていること 

 「ウィンドラス・メカニズム」とは、足のつまさきを反らせることで足裏の筋肉と腱が緊張し、落ち込んでいた足の骨が持ち上げられることでその人本来の正しい足裏のアーチが形成される作用をいいます。またこのつま先を反らせた姿勢を「ウィンドラス・ポジション」といいます。


(アメアスポーツジャパンより転載許諾)

 ウィンドラス・ポジションをとると、多くの人に見られる「後ろから見てかかとの骨が内側に倒れ込んでしまっている状態(外反:足裏が外を向いてしまっている)」から、かかとの骨がまっすぐに起きあがり、同時に足裏のアーチがきちんと形成される作用が起こります。

このように正しいアーチが形成されると体全体の姿勢が整い今まで身体のゆがみの悪影響を受けていた膝や腰、肩などの負担がなくなることで、バランスがよくなる、悪いくせがなくなり動きやすくなる、疲労が軽減する、ストレスを取り除くのでケガの予防にもなる、といった多くのメリットが生まれます。

 インソール成型の際にウィンドラスポジションをとって行うと、その人の足本来のアーチにより忠実な形に成型でき、より効果のあるインソールを作ることができるというのがシダスの考えです。

※筆者注:しかし実際に自分がウィンドラスポジションで数例成型をした限りでは、いきなり強くウィンドラスポジションをとって整形すると、アーチが高すぎてかえって不快になるとか、指先までしっかり整形できる「カスタムスノー」モデルの場合であると拇指球部分がくっきりくぼむ反面で指下部分が持ち上がり靴のなかの指が収まる容積が不足する、などの不具合も生じました。

現在当店ハイロードでは履き手の好みや足裏の状態を総合的に勘案しウィンドラス効果をどれくらい反映させるか考慮しつつ成型しています。


補足 歩行用モデルについてのシダスの設計思想について

 歩行の場面では足の衝撃吸収が問題になり、インソールの役割としてこれが期待されることが多いといいます。多くの他社のインソールはかかと部分や前足部分に特殊素材を入れることでこれを解決しているが、シダスはこの点について独自の考え方をとっています。

 歩行時の足の動きの分析から、足はゆらゆら左右に揺れるような軌道をとって足裏の各部が順次着地し、その過程で衝撃を分散させていることがわかっています(あおり歩行)。そのためシダスでは足の左右への安定性を高め足の動きを妨げずにサポートすることで、足の本来持っている衝撃吸収能力を働かせることを目指しています。

そのためにシダスの製品は、
A)かかとを安定させるしっかりした深いヒールカップ(かかとには一部モデルで衝撃吸収素材を使用)
B)土踏まず部分を安定させるための十分なアーチサポート
C)足裏の感覚を鈍らせないよう前足部(指から指の付け根当たり)には衝撃吸収素材を入れないこと
といった特色を備えています。

 また、このような足本来の衝撃吸収能力は正常なアーチを備えた足に備わるものなので、異常のある足をサポートして正常足に近づけてやることが重要であるとされています。

※筆者注:この講義ノートを作成した2002年以降シダスからは新しいモデルがいくつか発表され、たとえばゴルフ用やサッカー用などでは前足部にも衝撃吸収素材が使用されるなどの例外も出てきました。
 しかしサッカー用では前足部の衝撃吸収素材として素材の反発速度が速く足裏感覚を鈍らせにくいものが採用されているなどの工夫もあるので、上記の基本的な設計思想はいまでも保たれているものと推測しています。


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