東京品川・武蔵小山のスポーツバイクショップ、スポーツバイク・ハイロードです。バイクフィッティング、インソール成形、イベント参加などご相談ください! |
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スポーツバイク・ハイロード
「高機能インソール・スーパーフィート」
「テックセミナー1〜4」を受講しました!
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作成2014/07/04
更新2014/07/10(下肢メカニズムの動画を追加)
更新2014/07/14(表現を微修正) |
(修了を示すピンバッチと貴重な資料)
(公式ホームページ。別ウィンドウにて)
当店は2007年の開店当初より、ライダーのからだの支障をケアすることに注力してきました。
などの独自サービスがその代表です。
この一環として2009年に「スーパーフィート」インソールを導入しました。かかとの骨(踵骨)の動き(=距骨下関節の動き)をコントロールすることで、インソールに押し上げられることなく足裏のアーチが“みずから立ち上がる”という学術的知見をもとにして開発された、きわめて理論志向の強い製品です。
自分青山は2009年の導入以来、仕事や日常生活で履く靴にはすべてスーパーフィートを導入し、その効能にはとても満足しています。しかしバイクに乗るときのシューズに関しては効果がうまく表れるかどうか自信がなく、いわば棚上げにしてきました。そこでこの5年間、自分はロードバイクシューズには「シダス」のスキー用完全カスタム成形インソールを使って満足していました。
ところが、最近「より良い身体の使い方、姿勢や動き方」について多方面から勉強を進めるうちに、スーパーフィートのメカニズムが自転車でも有効に機能するはずだという思いが再燃してきたため、この春から機会を得て、スーパーフィートが提供する足のメカニズムを主体とした技能研修「テックセミナー1〜4」を受講することができました。
★当店「スーパーフィート」紹介記事(2009年)はこちら
1)高度な技能研修「スーパーフィート・テックセミナー」
この「テックセミナー」は1と2で丸一日、3と4でさらに丸一日という具合にしっかりとプログラムが組まれています。受講者は理学療法士、柔道整復師といった治療関係の方、スポーツショップやトレーナーといったスポーツ業界の方など多様ですがいずれも複雑な足のメカニズムを理解して顧客に高いレベルのサービスを提供しようと大変熱心な方が集まっていました(少なくとも自分が受講した回のセミナーでは自転車業界の方は残念ながら皆無であったと思います)。
カリキュラムは以下のようになります。
テック1(座学) |
スーパーフィートの効果を体感する |
足部のバイオメカニクス(各関節の構造と運動) |
テック2(座学) |
歩行における足の役割 |
現代人の足の問題 |
スーパーフィートと一般的なインソールとの違い |
スーパーフィートの選び方・歩行の評価 |
テック3(実技) |
「ニュートラルポジション(NP)」の定義 |
NP把握のトレーニング |
テック4(実技) |
カスタムインソール「カスタムブラック」の制作 |
カスタムインソール「カスタムグリーン」の制作 |
スーパーフィートのうち、カスタム製品と既製品の比較検証(体感) |
(今回作ったカスタムブラック。バイクでも調子よい!)
2)セミナーの印象とメモ
- テック1&2ではたくさんある足部の骨が動きに応じてどのように配列を変えるのか、動画も交え非常にわかりやすく解説をしてもらえました。自分の体の中で毎日起こっている動きであるのに、これまであまりにも無自覚に、そしてよくない動きを繰り返してきたことがわかって大変勉強になり反省しました。
- テック2の各種インソールの比較体験実習は比較的“あけすけ”で、他社の既製品インソールやカスタムインソール、様々な技術をうたっているものを実地に比較体験しました。その結果、他社製品は力伝達や立った時の足元の安定性などの局面において使用しないときと大差なく(あるいはむしろ悪化する)、スーパーフィートとはまったく次元が異なることを体感しました。
- かかとの関節(距骨下関節)は足の回転(内反・外反。より広範囲にとらえると足の回外・回内)の動きと脛の回転(内旋・外旋)の動きとの間で相互に回転力を及ぼしあう仕組みになっています(トルクコンバーター構造。べベルギヤのような動作イメージ)。
このため、荷重時に足のアーチが不健康なためにアーチが大きくつぶれると足は強い外反(回内)状態になるので、その動きがトルクコンバータで脛に伝達されて脛が内旋の力を受け、膝が内側に入りやすくなります。
→ということは逆に膝の方向を意識的にコントロールして、膝をしっかり真ん前に出すようにつねに心がけて動くようにすれば、トルクコンバータを介してアーチをつぶす方向に作用する力を減ずることができるのでアーチのつぶれを軽減できるのではないか?現在テスト中です(今のところ好感触)。
「プログレッシブ英和中辞典」より
- 健康な足の場合、歩行時には(1)着地時に骨の配列がほぐれアーチが低くなりながら足が柔らかくなり着地の衝撃を吸収、(2)体重を支持し、蹴りだすときは骨の配列がまとまりアーチが高くなって足全体が硬くなり力を効率的に伝達する、(3)宙に浮いているときには筋肉と腱で引かれて骨の配列がまとまりアーチが高くなって足全体が硬い状態になる、という変形サイクルを繰り返します(硬い足と柔らかい足のサイクル)。
ところがおおくの現代人に、足のアーチが常につぶれていて骨の配列が整わない現象が見られます(足の過剰回内)。これを補正して足の本来の変形サイクルと、それに基づくより良い機能を回復しようとするのがスーパーフィートの商品特性です。
- 柔らかい足が硬い状態に“切り替わった瞬間”の状態を足のニュートラルポジション(NP)といいます。NPの定義は、横足根関節がロックしている(1)、距骨下関節が中間位(2)、後足部の骨のすべての関節面がかみ合っている(3)というもの。しかし(1)と(3)には一定の幅があり、NPからさらに足が回外していっても維持される。この状態が「硬い足」です。
- テック3の実技講習で、足のNPを手技で作り出して感触を体験する貴重な機会が持てました。足がNPに入っているとひざ下の骨の配列がしっかりかみ合い、一体として力を伝えるように感じられます。具体的には、NPに入っている他人の足を外から(足裏から)触るとひざ下の動きに一体感が感じられ、逆に自分の足がNPに入っていて足裏を持ち上げられると、足首がぐらつかずつま先から膝までが一体としてもちあがってくる感覚があります。
→つまりぺダリングの際に足がNPに入っていれば(ここでは硬い足になった瞬間の状態、ということになるはず)、ひざ下の筋肉に無理をかけることなく、正しい骨の配列の効果でしっかりとペダルに力を伝えることができるはず。つまり「無駄のない力伝達←足骨のよい配置←距骨下関節のNP配置」という因果関係があるはずです。
そして距骨下関節の配置を整えるために、膝をまっすぐ動かすことでトルクコンバータ構造を介して距骨下関節の過剰回内を防ぐ意識を持つこと、またそもそも踵骨の傾きそれ自体を意識して過剰回内をさせないような足裏感覚を持つことが有効ではないか?現在テスト中です(今のところ好感触)。
なお、「踵骨の傾きを意識して過剰回内させないような足裏感覚」として自分はさしあたり「足の外エッジ側に荷重する」ということを意識しています。これはもちろん外エッジだけで立つ(ペダルを踏む)というのではなく、地面に足裏をつけて脛を外にねじると足の外エッジ側に圧力が高くなるのを感じる、その延長として外エッジ側の荷重を意識して利用する、といったやり方です。
そもそも人間の体の動き方は本人の意識の持ち方で大きく変わります。“意識できない動きは(ほとんど)できない”といってよいでしょう。逆に“意識することが動きの第一歩”なのです。
身体の構造や自転車の走るメカニズムの理解を深めて“より良い動き”を探究することがとても大事だと思います。それと同時に、イメージした動きを実現するためには柔軟性に富み思い通りに動かすことのできる“機能的な身体”づくりも欠かせません。
- (最近流行している五本指シューズなどについて) 五本指シューズや五本指ソックスは足指の間に余計なものが挟まるため足指の骨(中足骨)が広がり骨の配列が乱れた状態になる(開張足)。この配列の乱れが足裏アーチを低下させ(過剰回内)、距骨下関節のトルクコンバーター構造を介して下腿を内旋させ、膝が内側に倒れ込む動作になりやすくなる。
(YouTubeでメカニズムがわかりやすい動画を発見しました。ご参考にどうぞ)
自分はここ10年ほどシダスの完全成形式インソールを愛用してきました。使用前に比べると飛躍的に足裏が安定し、痛みも減るという効果を感じてきたのです。
しかし、今回スーパーフィートの理論をよく理解し、また実地でも試してみて、ロードバイクに乗るときのインソールをスーパーフィートに替えました。まだ実験期間が短いので結論はまだ出ていませんが、さしあたり予想の範囲内でよい感触を感じています。
自分の場合アーチの崩れが著しいので、足の骨の配列が整うと通常よりも足が硬く小さくなって靴に余裕が生まれるのですが、スーパーフィートでロードに乗るとこの感覚が容易に得られます。硬い足を駆使して長時間まっすぐにペダルに力を伝え続けられるようなぺダリングをイメージしつつ、しばらくスーパーフィートを真剣に使ってみようと思っています。
なお、すでに歩行時の靴に関してはスーパーフィートに絶対の信頼を置いており、スニーカーから革靴までとても快適です。歩行用にもぜひご検討ください。
※今回の研修でスーパーフィートのカスタムシリーズの一部を製作する技能資格を取得しました。しかし販売には別個の契約が必要なため、さしあたり当店でカスタムシリーズの制作販売はしておりませんのでご注意ください。
(公式ホームページ。別ウィンドウにて)
★当店「スーパーフィート」紹介記事(2009年)はこちら
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